教本と曲
【4種類で整理】大人のピアノ教本は1冊目に何を選ぶ?順番と進め方4種類の分け方と、進める順番

先に結論
1冊目に買うのは、楽譜の読み方から曲まで入った総合教本1冊です。あとの3種類は後から足します。
- 1冊目は総合教本を1冊だけ。楽譜が読めない人は音符のドリルを足します
- テクニックの本と曲集を足すのは、1冊目が半分まで進んでからで間に合います
- 1曲に3日かけて通らない曲は飛ばし、2週間後に戻ると通ることがあります
大人がピアノを始めるとき、1冊目に買うのは総合教本です。楽譜の読み方から短い曲まで、1冊で一通りそろう教本のことです。
楽譜売り場の棚には、大人向けと書かれた本と、昔からあるバイエルと、指の練習を集めたハノンが並んでいます。役割の違う本が同じ棚に入っているので、どれが1冊目なのか見分けがつきません。そこで手が止まってしまう人も多いでしょう。
この記事で想定しているのは、電子ピアノかキーボードを用意して、独学で始める人です。ピアノを再開する人と、1冊目の途中で止まっている人は、5つ目の章から読んでも話が通ります。
大人のピアノ教本は、1冊目に総合教本を1冊だけ選べば足ります
この章の答え
1冊に絞るのは、2冊を同時に開くと、1日15分の練習時間が2つに割れてしまうからです。1日15分の中身は、指の準備に3分、教本に7分、弾きたい曲に5分が目安です。2冊目を同じ15分に押し込むと、どちらも進みません。
総合教本を軸にする理由は、順番があらかじめ決まっていることです。ピアノ教室に通う人は次に何を弾くかを先生が決めますが、独学ではそこを自分で決めるので、順番の付いた1冊が要るのです。
目次が先生の代わりをします。
大人向けの総合教本は、1ページ目が片手から始まり、音符にドレミのふりがなが付いている本が多いです。書店で1ページ目を開けば、自分に合うかどうかはその場で分かります。1ページ目から両手で和音が並ぶ本なら、もう1段やさしい入門書に替えると進みやすくなるでしょう。
1冊目に選ぶのは、楽譜の読み方と曲が同じ本に入った総合教本です。
教本を決めるより先に、1日の分数と練習の時間帯を決めたほうが早いです。練習の組み立てから固めたい人は、大人のピアノ独学の始め方と最初の1か月の練習メニューを先に読むと、教本選びの判断が速くなります。
選び方を外してもやり直しは1冊ぶんで済み、合わなかった本も、1冊目を終えたあとに開くと読めることがあります。
ピアノ教本は4種類ある。何のための本かで分けて考える
この章の答え

4つに分けるのは、同じ棚に並ぶ本でも、作られた目的が違うからです。バイエルは短い練習曲を順に並べた教則本で、ハノンは指の動きだけを取り出した本です。役割が違います。どちらが初心者向けかという比べ方はできません。
見るのは表紙より中身です。
教本、教則本、テキストという呼び方は混ざって使われます。中身を分けるときに見るのは、呼び方ではなく、何のために作られた本かのほうです。名前は、あとからでも覚えられるものです。
| 種類 | 何のための本か | 代表的な本の名前 | 1冊目に要るか |
|---|---|---|---|
| 総合教本 | 楽譜の読み方、指番号、短い曲を1冊で順に進める | おとなのためのピアノ教本、ピアノの教科書 | 要る。これが1冊目 |
| テクニック | 指の動きだけを取り出して反復する | ハノン、バーナム ピアノテクニック | 要らない。1冊目の後半から |
| 曲集 | 弾きたい曲、知っている曲の楽譜を集める | ブルグミュラー25の練習曲、大人向けの名曲集 | 要らない。弾きたい曲があれば1冊 |
| ドリル | 音符とリズムを書いて読めるようにする | 音符とリズムのドリル、楽典(楽譜の決まり)の入門書 | 楽譜が読めない人だけ、1冊目と同時に |
総合教本は、楽譜の読み方から曲まで入った1冊目の本
総合教本は、ドの位置から始まり、片手から両手、短い曲へと1冊でつながっています。大人向けとして名前が挙がるのは『おとなのためのピアノ教本』『大人のためのピアノ悠々塾』『ピアノの教科書』『大人のための独習バイエル』などです。『ピアノの教科書』は1冊で完結し、ほかの3冊は1巻・入門編・上巻から順に進むシリーズになっています。
指番号とは、音符のそばに書かれた数字で、どの指で押すかの指示です。この数字と音名のふりがなは、大人向けの総合教本の多くで最初の曲から付いています。
巻ごとの対象レベルと収録曲は出版社や販売元の商品ページで確かめられますが、版が複数ある本もあるので、見るのは最新版のページです。
挙げた4冊はどれを買っても1冊目として進められ、決め手になるのは、1ページ目が片手から始まっているかどうかです。立ち読みで1分あれば分かります。
2冊で迷ったら、目次に自分の知っている曲が多いほうがおすすめです。通販で買うなら商品ページの試し読みや中身の画像で1ページ目を見て、画像が無い本は、書店で同じ本を開いてから注文する形が確実でしょう。
テクニックの本は指の動きだけを練習する。1冊目にはしない
ハノンやバーナムのようなテクニックの本には、仕上げて人に聞かせる曲が入っていません。ハノンは指を1本ずつ動かす短い課題が同じ形で何十番も並び、バーナムは「歩こう」「走ろう」といった題名の付いた短い課題が続きます。
これを1冊目にすると、数週間ずっと指の運動だけが続くでしょう。弾きたい曲に手が届かないまま15分が終わる日が重なると、鍵盤に向かう回数が落ちます。弾きたい曲を5分足せば戻ります。
足す時期は、弾きたい曲の中で指が届かない所が出てきてからで十分です。薬指と小指で止まる、同じ所で指がもつれる、といった症状が出た時期が買う合図になります。それまでは棚に戻して構いません。
テクニックの本は、何のために使うかが決まってから買うほうが無駄になりません。
大人に意味がないという話も出回りますが、使う目的が決まっていれば役に立ちます。譜読みとは、楽譜を見て音と指を読み取ることです。テクニックの本を続けると、譜読みが速くなる効き方もあります。
開くのは、曲の中で使う所が決まってからです。
曲集は、弾きたい曲を教本の外で別に持つ
曲集は、楽譜だけが並んだ本です。ブルグミュラー25の練習曲のような古くからある曲集と、大人向けの名曲集、ポップスのアレンジ集があります。楽譜の読み方の説明は入りません。総合教本の代わりにはなりません。
編曲版とは、原曲の音を減らして弾きやすく書き直した楽譜です。表紙や商品ページに入門、初級、やさしいアレンジと書かれている楽譜が、この編曲版に当たります。
選ぶのは、初心者向けと書かれた編曲版です。原曲のままの楽譜は音の数も和音の形も編曲版より多くなりますが、同じ曲でも、編曲版なら1冊目の途中で手が届きます。
1曲だけ弾きたい人には、楽譜のダウンロード販売で1曲ずつ買う方法もあるでしょう。見本のページで音符の数を見てから買うと、難しすぎる楽譜を買わずに済みます。紙の本でなくても構いません。
ドリルは、楽譜が読めない人が1冊目と同時に持つ本
ドリルは、音符とリズムを書き込んで覚える練習帳です。右手側の五線(ト音記号)に音名を書く、4分音符と8分音符の長さを数える、といった課題が並びます。書いて覚える形です。鍵盤の前に座らない日でも進められるでしょう。
どのドリルでも、五線に音名を書く課題が入っていれば1冊目と組み合わせられます。楽典とは音符やリズムの決まりをまとめたもので、楽典の入門書も、同じように読み方の練習に使えます。
弾く練習と読む練習は、同時に進めて差し支えありません。1日3分をドリルに回すと、総合教本の譜読みが軽くなります。通勤の電車でも書ける1冊です。
楽譜が読めるなら、この1冊は要りません。
自分に合う1冊を決める3つの質問
この章の答え
3つに絞ったのは、この3つで中身が変わる本が多いからです。表紙に大人向けと書かれた本でも、音名のふりがな、コードネームの表記、付いている音源は1冊ずつ違います。表紙だけでは見分けがつきません。
コードネームとは、楽譜の上に付くCやGのような記号で、左手で押さえる和音を表します。歌の伴奏を弾くときの手がかりが、この記号です。
同じ「大人のためのピアノ教本」という言葉で探しても、出てくる本は1種類ではありません。だから本の名前より先に、自分の条件のほうを決めます。条件が決まれば、候補は2冊か3冊になるでしょう。
楽譜が読めないなら、音名が振ってある総合教本を選ぶ
読めないまま始めても、1曲は仕上がります。音符にドレミのふりがなが付いた本なら、ふりがなを見て鍵盤を押せるからです。音符が大きく刷られていれば、譜面台に置いても読み取れます。
読み方は、真ん中のドの位置から数えて覚えます。1日3分を読み方の練習に回すと、五線の下半分は数えなくても分かるようになるでしょう。ピアノの楽譜は右手がト音記号、左手がヘ音記号の2段で書かれるので、左手のヘ音記号はそのあとで足ります。
ドリルを1冊足すのは、この段階の人だけです。読み方を全部覚えてから弾き始める順にすると鍵盤に触る日が遠のくので、先に音を鳴らすほうが、読み方も残りやすくなります。
小節とは、楽譜を縦の線で区切った一区切りのことです。書き込みは鉛筆でして構いません。弾けるようになった小節から、4小節ずつ消していく形が続けやすいでしょう。
最初の曲に出てくる音の高さは、10個ほどに収まる曲が多いです。白鍵だけで弾ける曲もあります。使う音の数は、楽譜の見本のページで数えられます。
黒鍵が出てくるのは、もう少しあとです。
弾きたい曲がクラシックかポップスかで、教本の系統が変わる
同じ大人向けでも、クラシック系とポップス系で中身が噛み合いません。系統をまたいで2冊を並べると、音名の表記も進む順番もそろわなくなります。1冊目は、どちらか片方だけです。
ポップスを弾きたいなら、コードネームの付いた教本を選ぶほうが近道です。系統は、表紙より目次で見分けます。知っている歌の題名が並び、楽譜の上にアルファベットが付いていればポップス系です。
クラシック系の1冊だけで進めると和音を押さえる練習が後回しになりがちなので、弾きたい曲が歌の曲なら、迷わずポップス系です。
まだ決まっていない人は、クラシック系の総合教本から入って差し支えありません。指の動かし方の順番が、1冊の中で整っているからです。
弾きたい曲が1曲だけある人は、その曲の系統に合わせます。ジャズやブルースの入門書もありますが、1冊目はやさしいポップス系のほうが早いでしょう。系統は、1冊目を終えるまで変えないほうが進みます。
半年後に人前で弾く予定がある人だけは、順番が変わります。教本を軸にせず、その1曲の編曲版から入って、指の練習を1日5分だけ足す形です。
独学だけで進めるなら、音源と解説の多い教本を選ぶ
独学では、弾けているかどうかを自分で判断します。だから音源の有無で進み方が変わるのです。模範演奏が入っていれば、自分の演奏と聞き比べられます。
音源の付き方は本ごとに違い、CD、DVD、QRコードのいずれかで聞く形です。付属する音源と動画の有無は、買う前に商品ページで確かめます。
- 音名のふりがなが付いているか
- 指番号が書かれているか
- 模範演奏の音源か動画が付くか
- 何巻まで出ているシリーズか
- 商品ページのサイズ欄を見て、譜面台に載る大きさか
無料で見られる動画サイトの解説も、手の動きを真似るぶんには役に立ちます。ただ、並ぶ順番まで決まっているのは教本の側です。1冊を軸に置いて、つまずいた所だけ動画で見る形にすると、次に何を弾くかで迷わなくなります。
解説の文章の量も、独学では差になります。同じ課題に半ページの説明が付く本と、楽譜だけが並ぶ本では、独学で進めたときの手がかりが違うのです。
ピアノの練習アプリを併せて使う手もあります。弾いた音が合っているかが画面に出ます。教本の課題を正しい音で弾けたかは、その場で分かるはずです。音の大きさと手の形は画面に出ません。そこは録音で確かめます。手の形を人に見てもらいたくなったときの進め方は、オンラインレッスンの始め方と手元の映し方にまとめました。
1冊目の進め方と、2冊目に移るタイミング
この章の答え

進め方を先に決めるのは、1ページに何日かけるかが決まっていないと、同じページを3週間なぞる形になりやすいからです。練習の中身は、曜日ではなく教本のページで区切ります。
1日の分数と、1曲にかける日数を先に決める
指の準備に3分
ドからソまでを1本ずつ、ゆっくり押して離します。教本を1ページ7分
今日のページを、間違えても止まらずに3回弾くのが目安です。弾きたい曲を5分
仕上げたい曲のうち、今週分の4小節だけを弾きます。弾きたい曲がまだ無い人は、この5分を教本の前のページの曲に回すといいでしょう。最後の30秒を録音
弾きたい曲の5分の最後の1回をスマホで録り、左手が大きすぎないか聞き返します。
1ページの目安は3日です。止まらずに3回弾けた日に次のページへ進む形にすると、進む速さが自分で決まります。弾き直した所が1か所でもあった日は、同じページをもう1日続けましょう。
前のページに戻る日があっても、順番は崩れません。1冊が何か月で終わるかは、1日の分数と1冊のページ数で変わるからです。1日15分で1巻の最後まで数か月かかると見ておくと、予定が立てやすいでしょう。
週に何日触るかも先に決めます。指は、日をまたいで繰り返すほど順番を覚えます。平日に時間が取れない人は、週末の2時間を2日に分けて置くほうが続くでしょう。
録音は週1回でも足ります。
テクニックと曲集を足すのは、1冊目の後半から
足す時期の目安は1冊目が半分まで進んだあたりで、片手の課題が終わって両手の曲が並び始めると、指の動きが先に足りなくなってきます。
足すのは1冊だけです。弾きたい曲があるなら曲集、薬指と小指で止まるならテクニックの本を選びます。両方を同時に買う必要はありません。
メトロノームを使い始めるのもこの時期で間に合い、左手が入る前の数週間は、4つ数えながら弾けば足ります。
2冊目は、重なるところを飛ばして選ぶ
1冊終えたら、同じシリーズの2巻がいちばん迷いません。1巻の最後と2巻の初めで、進度がつながるように作られているからです。
別のシリーズに移るときは目次と最初の10ページを見比べ、1冊目で弾けた課題と同じ形が並んでいるなら、そこは飛ばして先へ進んで構いません。
2冊目は、1冊目で弾けた課題を飛ばして始めれば十分です。飛ばした所へは、あとから戻れば間に合います。
1冊終えたのに2冊目へ進む気にならない人は、同じ巻をもう1周しても構いません。2周目は、1曲にかける日数が1周目より短くなるでしょう。弾ける曲が増えた手応えのほうが、次の1冊を開く力になります。
教本でつまずきやすい場所と、その場の対処
この章の答え
止まる場所は、だいたい決まっています。1冊の中で段が上がる所、曲がなくて気が進まなくなる所、独学で合っているか分からなくなる所です。どれも練習の組み替えで抜けられるはずです。
| 止まった所 | 次にやること |
|---|---|
| 1曲に3日かけても通らない | その曲を飛ばし、2週間後に戻る |
| 指の運動ばかりで気が進まない | 曲集を1冊挟み、1日5分を弾きたい曲に回す |
| 弾き方が合っているか分からない | 8小節を録音し、手元を真上から撮る |
| 3か月同じページから進まない | 体験レッスンを1回入れて、手の形を見てもらう |
| 1週間ピアノに触っていない | 15分をやめて、指の準備の3分だけに減らす |
1冊の途中で急に難しくなったとき
教本には途中で段が上がる場所があり、昔からあるバイエルのように1冊の中で少しずつ難度を上げる作りの本だと、ある番号から急に手こずることも出てきます。
3日かけても1曲が通らないなら、その曲は飛ばします。先の2曲か3曲を弾いてから戻ると通ることがあるのは、間に挟んだ曲で同じ指の動きを別の形で練習するからです。
曲集を1冊挟む手もあります。同じ難しさの別の曲を5曲ほど弾くうちに、止まっていた曲の指の形が入ってくるでしょう。
巻をまたいだときも同じ段が来ます。2巻の途中で止まったら、1巻の最後の2曲に戻って弾き直すと、抜けていた指の形が見つかるはずです。
指の運動ばかりで曲がなく、気が進まないとき
曲が足りないと感じたら、練習の中身を組み替えます。やることは、1日5分を弾きたい曲に回すだけです。残りの10分は教本に置いたままで構いません。
知っている曲が1曲入るだけで、鍵盤に向かう回数が変わります。曲集は、大人向けの名曲集でも、好きな曲の初心者向けの編曲版でも大丈夫です。
子ども向けの教本を使っていて気が進まない人も、ここに当てはまります。曲の題材とイラストが合わないだけなら、大人向けの曲集を1冊足すと変わるでしょう。指の練習の本は、年齢で中身が変わりません。そのまま使って差し支えありません。
独学で、弾き方が合っているか分からないとき
自分では気づきにくいのは、椅子の高さ、手首の落ち方、左手の音の大きさです。録音で分かるのは、音の大きさのほうです。椅子の高さは、座った姿を横から撮れば分かるでしょう。
スマホで8小節だけ録って左手がメロディより大きく聞こえないかを聞き返し、手元を真上から撮ると、指が寝ていないかも目で見えます。
録音を聞くときに見るのは3か所です。左手がメロディをふさいでいないか、4つ数える間隔が途中で伸びていないか、同じ小節で毎回止まっていないかを順に聞きます。止まる小節が分かったら、その前後1小節を足した3小節だけを10回繰り返すのが目安です。
3か月同じページから進まないときは、ピアノの体験レッスンを1回だけ入れるほうが早いです。独学をやめるわけではなく、止まっている1曲だけを見てもらいます。持ち物は、その曲の楽譜1枚だけです。体験を受ける教室は、大人の初心者向けピアノ教室の選び方と体験で聞くことを見て選べます。
オンラインレッスンでも、手の形と音の大きさは見てもらえます。鍵盤の下の動きは画面で伝わりにくいので、そこだけは対面のほうが向いているでしょう。
手首や指の付け根が痛むときは、その日の練習をやめて手を休めてください。翌日は指の準備の3分だけに戻し、痛みが引いてから15分に戻せば続けられるでしょう。何日も痛みが続くときだけ、医療機関で見てもらうと安心です。
状況別の進め方。ピアノを再開する人と、手元の楽器が気になる人
この章の答え

条件で変わるのは、戻る場所と、教本の課題がその楽器で弾けるかどうかです。
昔の教本の続きから戻すか、大人向けの1冊目をやり直すか
楽譜を見てドの位置がすぐ分かり、片手なら音を拾えるなら、昔の教本に戻れます。戻る場所は、やめたページではなく、弾けた記憶のある1段前の曲です。
10年以上離れていて、楽譜を見ても音が出てこない人もいます。昔やったバイエルやブルグミュラーの続きに戻るより、大人向けの1冊目のほうが早いです。昔覚えた指の動きが残っているぶん、1冊目は初めての人より速く進みます。
子どもの頃の教本をそのまま使うと、曲の題材が気になる人もいるでしょう。気が進まないなら、同じ難しさの大人向けの曲集に替えて差し支えありません。
ピアノに触っていなかった年数より、いま週に何日触れるかで進み方が決まるのです。
手元の電子ピアノやキーボードで、その教本を進められるか
教本の課題には、鍵盤の数と強弱が要る場面が出てきます。最初の1か月は片手のメロディだけなので、家にある電子キーボードでも足りるはずです。音が足りなくなるのは、曲で使う音の幅が広がる後半です。
鍵盤がいくつあれば1冊終わるかは、使う教本で変わります。教本の後ろのほうの曲を開き、楽譜のいちばん高い音と低い音を鍵盤で押してみると、その楽器で足りるかが分かります。鍵盤の数が書かれているのは、楽器の商品ページです。
- 鍵盤がフルサイズの幅で、ピアノと同じ間隔で並んでいるか
- 強く押すと大きい音、そっと押すと小さい音が出るか
- 教本の曲の端の音まで鍵盤が足りるか
- 夜に弾くならヘッドホンがつなげるか
強弱の付かないキーボードでも、指の動きと譜読みの練習は進みます。残るのは、音の大きさを変える課題だけです。その課題に備えて替えるなら、キーボードと電子ピアノの違いと、初心者向けの選び方が役立ちます。
夜しか練習できない人は、ヘッドホンの端子を先に見ておきます。手持ちのヘッドホンで足りることが多く、端子の形が合わないときは変換プラグが1つあれば十分でしょう。
ペダルの指示が出てくるのは多くの教本で1冊目の後半か2冊目からなので、いま付いていないなら、その課題に当たってから買い足すほうが無駄になりません。
鍵盤の幅が狭い楽器だけは、先に見ておきたいところです。指の間隔が本物のピアノと違うと、教本の指番号どおりに弾いても手の形が身につきません。買い替えるなら、電子ピアノの予算と置き場所の決め方を先に見ておくと、選ぶ手間が減ります。
よくある質問
ハノンやバーナムのようなテクニックの本は、大人にも要りますか?
1冊目には要りません。仕上げる曲が入っていないので、指の運動だけで数週間が過ぎます。弾きたい曲の中で指が届かない所が出てきてから、1冊足せば間に合います。譜読みが速くなるという効き方もあるので、使う目的を決めてから買うほうが無駄になりません。
楽譜が読めないまま始めても大丈夫ですか?
大丈夫です。音符にドレミのふりがなが付いた総合教本を選び、1日3分だけ読み方の練習に回します。読み方を全部覚えてから弾き始める順にすると、鍵盤に触る日が遠のいてしまいます。読む練習と弾く練習は、同時に進めて差し支えありません。
子ども向けの教本を大人が使っても進められますか?
進められます。止まりやすいのは、曲の題材とイラストが自分に合わないところです。指の練習の本は年齢で中身が変わらないので、そのまま使えます。曲で気が進まないときは、大人向けの曲集を1冊足すと変わるでしょう。
1冊終わるまでにどれくらいかかりますか?
1日の分数と1冊のページ数で変わります。1ページに3日、1日15分で進めると、1巻の最後まで数か月が目安です。同じページを3週間なぞる形になったら、その曲を飛ばして先に進み、2週間後に戻ります。
1冊目にかかる費用は、どれくらい見ておけばいいですか?
本と版によって違うので、買う前に商品ページの値段を見て決めます。最初に買うのは総合教本1冊で、楽譜が読めない人だけ音符のドリルを1冊足します。テクニックの本と曲集は後から足すので、1冊ぶんか2冊ぶんを用意しておけば始められます。
まとめ
- 今週やることは、総合教本を1冊決めて、1ページ目を開くことです
- 書店では大人向けの総合教本を3冊ほど開き、1ページ目が片手から始まる本を1冊だけ買います
- 楽譜が読めない人は、音名のふりがなが付いた総合教本と、音符のドリルを1冊ずつ買います
- 1日15分の中身は、指の準備3分、教本7分、弾きたい曲5分が目安です
- 1冊目が半分まで進んだら、テクニックの本か曲集を1冊だけ足します
- 1曲に3日かけても通らない曲は飛ばし、2週間後に戻る形で構いません
映像を見ながら1冊目を進めたい人向けに、DVDの付いた独学用のピアノ教本もあります。棚に並ぶ総合教本とは別の教材なので、収録されている曲と進め方を公式ページで見てから決めるのがおすすめです。
テーマ:教本と曲
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出典
- マナビーノ「ピアノ教本3弾セット(DVD付き)の収録内容と価格」(2026.10.10確認)
更新履歴
- 2026.10.10 公開